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猫の感染症を予防するワクチン接種。どんな種類があるの?費用は?

ウイルスの感染で引き起こされてしまう感染症。予防には、ワクチン接種が有効です。家の中で飼育している方も多いとおもわれますが、室内でもおもわぬ形で感染してしまう場合があります。

ワクチンの種類

猫のワクチンは、予防する数によって変わってきます。
ワクチンの種類は3種、4種、5種、7種があり、完全な室内飼育の場合、3種〜4種といわれますが、災害などで外にいかなければならない場合や、逃げてしまった時のことを考えると3種では万全とはいえません。

3種混合で予防できる病気

1)猫ウイルス性鼻気管炎
猫ヘルペスウイルス1型が原因となる感染症。猫インフルエンザと呼ばれることもあります。
くしゃみ、発熱、下痢、食欲不振など、人間で言う所の風邪のような症状が現れ、重症の場合、衰弱、肺炎、脱水症状を起こして死んでしまうこともあります。

2)猫カリシウイルス感染症(タイプFC-7)
猫カリシウイルス感染症はいろんなタイプがあり、1つの種類に感染しても別の種類に感染することもあります。
症状さまざまで、猫ウイルス性鼻気管炎と似た症状や、口中に潰瘍ができるものなどがあります。
猫ウイルス性鼻気管炎よりも重症化することはまれですが、近年は強力なネコカリシウイルスが発生しているという報告もあります。

3)猫汎白血球減少症
ジステンパーやパルボとも呼ばれます。感染力が非常に強い胃腸炎で、激しい嘔吐や下痢、高熱などの症状が出ます。近年、猫カフェなどで流行し、大騒ぎになったウィルスです。子猫の場合は死に至る可能性があります。成猫の場合は軽症で済むこともあります。

4種混合で予防できる病気

4種は3種混合に猫白血病ウィルス感染症を加えたものです。

4)猫白血病ウイルス感染症
白血病ウィルスとは、原因となるウイルスが体内に入り、発熱や食欲不振、貧血の症状が出る。
腎臓病などの原因となり、生後すぐに感染した場合は死亡率が高い感染症です。
1歳以上の場合に感染すると感染後、数週間~数ヶ月でウイルスが消えるとも言われています。

5種混合で予防できる病気

5種は4種混合に猫クラミジア感染症を加えたを加えたものです。

5)猫クラミジア感染症
猫クラミジアは細菌のによって感染症で、結膜炎、目やに、涙目、くしゃみ、などの症状がでます。また進行すると咳をするようになり、それが進行すると肺炎になってしまうことも。猫クラミジア感染症は「人獣共通感染症」なので、少数ですが猫から人への感染が報告されています。

7種混合で予防できる病気

7種は5種混合に猫カリシウイルス感染症の別タイプ(FC-28、FC-64)を加えたを加えたものです。

ウイスルの感染経路

感染症になるほとんどの原因のウイルスを持つ猫との接触です。ただ、室内飼育で他猫と接触しない場合でも、以下のような感染経路が考えられます。

(1)空気感染
ウイルスを含んだ排泄物や唾液が乾燥し粉末になり、風で室内に入り込むことがあります。近所に野良猫が多い環境の場合は注意が必要んあります。

(2)人から感染
飼い主や来客の靴や服にウイルスが付着している場合、そのウイルスを感染させてしまう恐れがあります。
2018年、東京の猫カフェでパルボウィルスが発生し、ニュースになった経緯があります。
できるかぎり野良猫との接触はさけるようにしましょう。野良猫を触ったままペットショップや猫カフェに行くと、意図せずとも感染させてしまう場合があります。

(3)母子感染
子猫の場合、母乳から感染することがあります。母猫が何らかのウイルスを持っている場合は注意しましょう。

ワクチンの費用や時期

ワクチンの費用ですが、動物病院によって異なります。
一般的には3種混合で4,000円~6,000円、5種、7種混合で6,000~8,500円程度が一般的です。
ワクチン接種は病気の治療ではなく、予防となるためほとんどの場合ペット保険の対象外となっています。
ペット保険によってはワクチン接種も含まれているものもあるため、加入している保険の条件や規約で確かめてみてください。

接種する時期

接種は子猫の場合、生後2ヶ月で第1回目、その1ヶ月後に第2回目を行います。その後は年1回の定期的の接種が推奨されています。
他の猫との接触する場合は、接触する猫がどのワクチンを受けているのかを聞くこともお互いの病気を感染させない予防にもなります。
妊娠が確認されている猫の接種はさけ、もし繁殖の予定がある場合は、後尾する1ヶ月前までには済ませましょう。

ワクチンの副作用は?

ワクチンは接種するウイルス(軽い感染症)を投与し、免疫をつけるものなので、副作用があります。
ワクチン接種後の数日は元気がなくなり、発熱がでる猫もいます。接種後の経過がわるい場合すぐに病院にいけるように、ワクチン接種は午前中が推奨されています。接種をしたその日は、ケージなどの落ち着ける場所で安静にしておきましょう。