猫を飼ったことがある人なら、必ず聞いたことがある猫の喉のゴロゴロの音。一般には猫がうれしい時に鳴らすといわれていますが、本当はこのゴロゴロ音ってどんな意味があるか知っていますか?
今回はそんな、猫のゴロゴロ音の謎に迫ります。
猫の習性の一つである「ゴロゴロのどを鳴らす」というこの行為、猫をなでていると、どこからともなくゴロゴロという音がしますが、猫はなぜこのような行動を取るのでしょうか?これからその4つのパターンを解説していきます。
のどを鳴らす理由
そもそも猫のゴロゴロ音は、人間のノド仏のあたりに該当する「喉頭」の筋肉で声帯を振動させて鳴っていると考えられています。実はこのゴロゴロ音、いろいろな意味があるんです。
幸せのゴロゴロ音
このゴロゴロ音は、リラックスしているときや、幸せを感じているとき、猫が抱きかかえられたときなどによくだすゴロゴロ音です。嬉しいときや、幸せな状態であることを周囲に伝えることが目的なので幸せをアピールしていると解釈されています。
このゴロゴロ音は中低音なのが特徴で、猫を飼っていると一番よく耳にするタイプのゴロゴロのひとつです。
なにか要求があるときや、かまってモードの時もこのゴロゴロ音を鳴らします。
母と子のコミュニケーション
このゴロゴロ音は母猫と子猫のコミュニケーションに使われます。母猫は子猫に近づくときにゴロゴロ音を出し、子猫も母親に居場所を示すようにゴロゴロと音を出します。子猫は生まれて3日ほどでゴロゴロ音を出せるようになるといわれています。
このゴロゴロ音も幸せゴロゴロと同じような感じです。
親子で一緒にいるとリラックスをするので、幸せのゴロゴロの起源なのかもしれませんね。
ピンチの時、苦しいときのゴロゴロ音
このゴロゴロ音はピンチの時や喧嘩のとき、苦しい時や死の間際など、生命にかかわるときに発するゴロゴロです。
普通の音より低音で、少し苦しがっているような音で鳴らしています。
これは、エンドルフィンという神経伝達物質が関係しているとされており、脳内麻薬と呼ばれることもあます。エンドルフィンは美味しいものを食べた、性的に満足したときのような欲求が満たされたときに分泌されますが、じつは苦痛や痛いときなどにも分泌されることがわかっています。動物は苦痛を軽減させるために、自己防衛反応としてゴロゴロと鳴らしているのかもしれませんね。
回復のゴロゴロ
このゴロゴロ音はさきほどの「苦しいときのゴロゴロ音」と似ていおり、体内の調子が悪い時や骨折があったとき、体の再生を早めている効果があると考えられています。
最近の医学で骨折した部位に超音波を当てると骨折が早く治ることが発見されており、猫も自己防衛本能で骨折がはやく治るように出していると思われますが、まだ詳しい研究がされておりません。
実は人間にも効果があります
猫のゴロゴロ音の周波数はだいたい25ヘルツの低周波といわれています。実は20~50ヘルツの音は身体の緊張をほぐす効果があり、人をリラックスさせる効果があります。
この効果はストレスを解消できるだけでなく、免疫力アップ、疲労回復の効果もあり、海外ではこのゴロゴロ音をセラピーにも使用されております。日本でも動物を使ったセラピーがありますが、猫はゴロゴロ効果でさらにリラックスできるので、猫の人気の理由はこのゴロゴロにもあるのかもしれませんね。
まとめ
これまで、いろいろなゴロゴロ音を紹介してきましたが、いつも家庭で出しているゴロゴロ音のほとんどが、幸せな気分の時だと解釈していいと思います。
構ってほしいとき、何か欲しいとき、あまえたいとき、がほとんどですのでゴロゴロ音を聞いたらいつも以上に構ってあげましょう。いつもはツンツンしている子も、この時はデレデレに変わっているでしょう!
猫はかわいいだけではなく、飼い主の健康維持までしてくれるすごいペット。疲れをとりたいときは、いつもより猫と一緒に過ごす時間を設けてはいかがでしょうか。